本と音楽と珈琲の日々

読書録、日々の出来事、雑感をつれづれに

BR 『いちご物語』 大島弓子

気が付けば7月も下旬。いまだ梅雨明け宣言は出されていないようですが、ほとんど夏のような暑さの毎日。今年もまた、梅雨が明ければ、昨年のようなゲリラ豪雨に見舞われる季節となるのでしょうか。

さて、今日から三連休。月曜日は「海の日」でお休み。7月に入ってからは私事ながら大変多忙で、休みもままならない状況がずっと続いていました。ここへきてやっと一段落、今日は朝からまた読書三昧でした。

以前、ブックオフオンラインで購入した『いちご物語』を読みました。高校時代にすっかりはまった大島弓子の作品です。

多感な十代という世代にとっては、大島弓子の作品はどれも胸に鋭く突き刺さり、コミックではありながらも、そこらの売れ筋小説では全く歯が立たないほど深遠で濃く読み手を作品の内側に引きずり込むようなものばかりでした。

あれから、かなりの時間が経っての再読。すぎた時間の量は、作品を全く衰えさせることなく、相変わらずの鋭い輝きを放っていました。最近のコミックはほとんど読むことがありませんが、あの当時の作家や作品には、あの時代特有の重厚さと深遠さ、それは一方ではもはやコミックで表現すべきことではないようなことを表現しようとしていた回りくどさがあったように思います。

それは同時に、あの時代特有のまわりくどさや懐疑的な思想を反映していたからなのかもしれません。

さて、これからの時代、どのように移り変わっていくのか。過去の重ね合わせの上に現在があるとするならば、その現在の重ね合わせの上におそらく未来があるのでしょう。

小説であれ、コミックであれ、また音楽であれ、人間の紡ぎ出すものが、その時代時代の澱をきれいに濾過して私たちに見せてくれるとするならば、これからもずっと新しい作品の誕生と古い作品の趣きを交互に愉しみたいものです。

 

いちご物語 (白泉社文庫)

いちご物語 (白泉社文庫)

 

 

 

 

 

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