本と音楽と珈琲の日々

読書録、日々の出来事、雑感をつれづれに

ZK『あの頃』って

電車の窓越しの景色に今日も
 あゝ《あの頃》は…
と思う
いったいいくつの《あの頃》が窓の外を流れていったのだったか
(鈍色の雲は低く針葉樹の頂きに触れ、冬枯れの田圃には藁草の残骸が捨てられている)
 あゝ《あの頃》は…
とひとは思う
《あの頃》に何があったか、何があったというのか
《あの頃》の私は
やはり窓の外を眺めながら
ただ
 あの頃は…
とひとりごちていたのではなかったか
                 (2020.3.4)