BR 『夢をかなえるゾウ』 水野敬也
かなり売れた本として、前々からタイトルは知っていました。でも、とかく売れた本って逆に手を出しづらいというか、まあ、急いで読まなくなっていいんじゃないかという気持ちになってしまい、結局、そのまま忘れてしまうということがままあります。
流行るということは、同時にすぐに忘れられるということでもある、と誰かが言っていましたが、まさにそんなちょっと天の邪鬼な気持ちから、本書も私の中ではしばらく忘れた存在となっていました。
ところが、ふとした拍子で本書のことを思い出し、そろそろ読んでみようかという気になって、BOOKOFFで購入。
読み始めて、すぐに「う~ん、さすがに売れただけのある本だ」と唸りました。文章に読み手を惹き付けるパワーが漲っている。
また、作り方もとても巧みで、ガネーシャが関西弁で話すというアイデアもなかなかに秀逸でした。内容的にはいわゆる自己啓発物ですが、同じ内容のことを単なる自己啓発本として書いたのではおそらくここまでヒットしなかったでしょう。
すべて作者と出版関係者のアイデアの勝利に尽きると思います。出版業界が不況と言われて久しい中で、本を作るということ、特に多くの読者に読まれる本をいかにして作るかということを改めて教えられた気がします。
確かに本は中身が第一。どんなに売り方が凝っていても、中身がスカスカの本は売れません。しかし、逆にどんなに中身が素晴らしくとも、売り方が下手では結局多くの人の目に触れる機会もなくなってしまうというもの。
時代の流れを読み、素晴らしい内容の本をなるべくたくさんの人の目に触れさせる、なかなか難しいことではあると思いますが、ある意味、それを成功させたのが本書ということができるかもしれません。
まさに著者は本書で「夢をかなえ」たと言えるのかも。。。。
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