本と音楽と珈琲の日々

読書録、日々の出来事、雑感をつれづれに

ZK 5月中の読書のまとめ

あっという間に5月も終わり、今日から6月。梅雨入りもまもなくでしょうか。

降る雨を時折眺めながら、家で読書をするのもなかなか雰囲気があって良いかもしれません。

さて、5月中に読んだ本は14冊でした。読書ペースはあまり変わりませんでした。まあ、量より質ということで、とりあえず納得しておきましょう。

 

2014年5月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:2778ページ
ナイス数:749ナイス

グリーン・マイル〈1〉ふたりの少女の死 (新潮文庫)グリーン・マイル〈1〉ふたりの少女の死 (新潮文庫)感想
まさにスティーブン・キングといった見事な語り口の作品。敢えて分冊化することで、読み手の欲求を増幅させるアイディアも面白い。さて物語は始まったばかり、これからの展開が楽しみ。期待は膨らむばかりだ。
読了日:5月31日 著者:スティーヴンキング

 


文具を読む・文具本を読む 新興ブランド編文具を読む・文具本を読む 新興ブランド編
読了日:5月25日 著者:舘神龍彦

 

 

 

 


生きかたを楽しむ (角川文庫)生きかたを楽しむ (角川文庫)感想

このころの片岡義男が個人的には一番好みだ。柔らかな風を感じながら、オフの日の午後に読むのが最適な、そんな小説だ。登場する女性がそれぞれに個性的で魅力的な美人でかつクレバーだ。男たちも皆いちようにカッコいい。実際にはあり得ないだろう心地よい景色を、片岡義男は読み手に巧みに見せてくれる。
読了日:5月25日 著者:片岡義男


覚えるだけの勉強をやめれば劇的に頭がよくなる   大人のアウトプット勉強法 (PHP新書)覚えるだけの勉強をやめれば劇的に頭がよくなる 大人のアウトプット勉強法 (PHP新書)感想
哲学者小川仁志による大人のための勉強法の本。内容は非常に分かりやすく明快だ。特に目新しいというものはないけれど、ひとつひとつがそれなりの確かさと説得力をもっている。「知のバージョンアップ」「優先順位の低いものを調整対象とする」「情報はきれいに整理するものではない」「集中力を高める究極の方法は、死を意識すること」。どの言葉も平易ではあるけれど、それぞれに深い。大人の端くれとして新たに勉強をしてみたいと思わせる本だった。
読了日:5月21日 著者:小川仁志


文具を読む・文具本を読む 老舗ブランド編文具を読む・文具本を読む 老舗ブランド編感想
文具好き、特にノートや手帳などのアナログ文具好きには、堪らない本だ。能率手帳、京大カード、ルーズリーフ、モレスキンフランクリンプランナー等々、いずれ劣らぬ売れ筋文具ばかりだ。そして単なる商品紹介ではなく、それぞれの持つ思想を的確に解説している。しかし、敢えて(?)ほぼ日手帳を取り上げなかった意図はどこにあるのだろう。
読了日:5月18日 著者:舘神龍彦


40歳からの知的生産術 (ちくま新書)40歳からの知的生産術 (ちくま新書)
読了日:5月18日 著者:谷岡一郎

 

 

 

 


乱読のセレンディピティ乱読のセレンディピティ感想
著者の明晰な言説に胸の奥に溜まった澱がすっきりと流れた。今までの自分の読書の在り方に、それで良いのだと優しく囁いてくれたようで、力を貰った。読書は深い。人間の知も。「風のごとく、さわやかに読んでこそ、本はおもしろい意味をうち明ける。本は風のごとく読むのがよい。」(P67) すっと心にしみこむ印象的な言葉だった。
読了日:5月18日 著者:外山滋比古


桜の首飾り桜の首飾り感想
どの短編も桜をテーマにしたほんのりと香り漂う作品。1編1編がわずかに違う色合いを見せる桜の花びらのように、ほのかな彩りの違いを匂わせている。だが、それらは1本の糸に綴られ綴られ、全体はひとつの首飾りのように、別の美しさをもった作品となっている。作者千早茜氏については、正直なにも知らなかった。読み友さんのお勧めがきっかけとなり手にとった。作者の描く不思議なふわふわとした、あるいはひらひらとした、どことなく頼りなげな空気感は、淡く薄く静かな魅力を漂わせている。(→)
読了日:5月17日 著者:千早茜


最果てアーケード最果てアーケード感想
人質の朗読会」「猫を抱いて象と泳ぐ」に続き読了3冊目。やはり小川洋子の描く世界には独特の空気感がある。そこを流れる風はどこまでも透明で、時間は流れるでもなく淀むでもなく、なんとなくそこに漂っている。本書「最果てアーケード」はまさに日常から隔絶された特別な空間のように感じられる。物語に登場する義眼屋、輪っか屋、紙店、勲章屋、遺髪専門のレース編み師、ドアノブ専門店。どれをとってもそれらひとつひとつは奇妙で興味深く愛らしい。そして著者の描く風景は、読み手の胸の奥深くに鮮やかにその(→)
読了日:5月12日 著者:小川洋子


プロフェッショナル原論 (ちくま新書)プロフェッショナル原論 (ちくま新書)感想
プロフェッショナルと呼ばれる職業の意義と価値、その行くべき方向性を説いた本。プロフェッショナルとは、単にその技能で金を稼ぐ者をいうのではなく、①特定の専門分野に関する深く高度な知識と技能を持ち、②特定のクライアントからの特定の依頼事項を解決することを業とし、③誰にも管理されず、組織に属さないフリーの立場であること、と述べる。そして働く動機は、「公益に寄与することを唯一の動機」と説く。これだけを聞いていると、まさにハードボイルドな職業なのだ。(→)
読了日:5月6日 著者:波頭亮


傷つきやすくなった世界で (日経プレミアシリーズ 2)傷つきやすくなった世界で (日経プレミアシリーズ 2)感想
平成18年1月から平成20年2月までの間にR25に連載されたものを1冊にまとめた石田衣良氏のエッセイ集。今から6~8年前に書かれたものであり、当時の世相がよくわかる。当時は、まさに自民党から民主党への政権交代前夜だった。格差社会やサービス残業、ネットカフェ難民など社会問題は山積していた。あの後の政権交代と再交代、東日本大震災を経た現在、本書が書かれた時と比べて何が良くなっているのだろうか。著者は、本書の中で日本社会の変化について「その過程で日本人の良識が働くだろうと、ぼくは信じているのだ」と(→)
読了日:5月6日 著者:石田衣良


2週間で小説を書く! (幻冬舎新書)2週間で小説を書く! (幻冬舎新書)感想
本読みにとってある意味、小説家は憧れの職業でもある。本書『2週間で小説を書く!』はそんな私のような読み手の心を巧みにくすぐるようなタイトルの本だ。書店でタイトルに惹かれ、数ページをめくってみて、面白そうだと思い、購入した。もちろん、2週間で小説が書けるわけはないと思いながら。著者は小説家ではなく文学評論家とのことである。評論家の視点から小説の真髄と文章の書き方、具体的な訓練方法などを分かりやすく易しく解説してくれている。著者の語る結論として、誰でも小説は書ける(→)
読了日:5月5日 著者:清水良典


スターダスト・ハイウエイ (角川文庫 緑 371-2)スターダスト・ハイウエイ (角川文庫 緑 371-2)感想
『スターダスト・ハイウエイ』片岡義男の角川文庫赤背表紙の本とは約30年振りの再会(再読)だった。奥付を見ると初版が昭和53年10月30日となっている。当時、まだ高校生だった私にとって片岡義男の描く世界は、ちょっと大人の、それも見たことのないアメリカの広大な土地を乾いた風が吹き抜けていくような、そんな風景だった。片岡義男の赤背表紙は、『スローなブギにしてくれ』『彼のオートバイ、彼女の島』など映画化もされ、その後も続々と発刊された。本書は、そうしたシリーズの中でも比較的初期の作品だ。片岡義男(→)
読了日:5月5日 著者:片岡義男


セント・メリーのリボン (光文社文庫)セント・メリーのリボン (光文社文庫)感想
山本周五郎賞受賞作「ダック・コール」に続き読了。表題作「セント・メリーのリボン」を含め計5作からなる短編集である。どの作品もそれぞれに独特の趣きと味わいがあるが、中でも秀逸なのは、やはり「セント・メリーのリボン」だ。読後に漂う香りはまさにハードボイルドそのものといったものであり、主人公はもとより筋立て、背景、伏線もろもろのすべてが格好好い。読み手の胸をぎゅっと熱くさせ、その後でほろほろと緩めさせる。その力加減がまた絶妙なのだ。日本には秀逸と言えるハードボイルド作品が少ない。しかし(→)
読了日:5月1日 著者:稲見一良

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