本と音楽と珈琲の日々

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MV 『おくりびと』 観ました

おくりびと(H20.9.13公開 監督:滝田洋二郎

久しぶりの休日、ちょっとだけ早起きをして自宅で『おくりびと』を観ました。以前、一度テレビで放映されたときにも観たのですが、その時は何かとバタバタしていて落ち着いて観ることができなかったので、今日は改めてゆっくり最初からエンドロールまで一人で集中して観ました。

山崎努本木雅弘広末涼子吉行和子笹野高史余貴美子など出演者は錚々たるメンバー。公開当時とその後アカデミー賞外国語映画賞を受賞した折りには、かなり話題にもなり、久々に大ヒット日本映画だったと記憶していますが、「売れた作品はすぐには観ない」という私の信条から、この作品も当時は観たい気持ちは多々あったものの、やっと今頃になって観たという次第です。

しかし、やはり多くの賞をとり、売れただけのことはある作品でした。納棺士(夫)という極めて特殊な仕事にスポットを当て、そこから広がる物語の面白さといった部分はもちろんのこと、俳優陣の演技の秀逸さも目をひくものがありました。

個人的には、主人公小林大悟の妻美香を演じた広末涼子の演技に感動しました。いえ、それはもしかすると演技というのとは少し違うのかもしれません。広末の醸し出す雰囲気というか空気感が、美香の心情を巧みに観る側に伝え、科白の決して多くない役どころであるにも関わらず、作品の中で大きな存在感を放っています。

実際の撮影現場の状況がどうであったのかは、知る由もありませんが、作品から伝わってくるのは、それぞれの役者がまさにぴったりと役にはまり、見事に演じきって、この作品を素晴らしいものに仕上げているというところです。そして、それはおそらくキャスティングの上手さでもあり、かつ、監督以下スタッフ全員の作品に対する想いの結晶化に成功したということなのでしょう。

このような映画が増えると、日本映画の将来も明るいかもしれません。
おくりびと」は最近では数少ない秀逸な日本映画作品のひとつでした。
原作の『納棺夫日記』も読んでみようと思います。

おくりびと

おくりびと

納棺夫日記 (文春文庫)

納棺夫日記 (文春文庫)