本と音楽と珈琲の日々

読書録、日々の出来事、雑感をつれづれに

BR 『哲学史のよみ方』 田島正樹

 

哲学史のよみ方 (ちくま新書)

哲学史のよみ方 (ちくま新書)

 

 

 今日は久し振りの休みでしたので、途中まで読みかけてしばらく放ってあった本を改めて読み直しました。
 
 この本は、著者が序文で書いているように、哲学史の観光ガイドといった感じの本。それもありきたりの定番観光コースではなく、読み手に「ああ、こういうルートもあったのね」と思わせるような、ちょっとマニア好みのコースに連れて行ってくれる本でした。
 途中、時折、ここぞというポイントでは、立ち止まって読み手に「お客さん、ここを見落としちゃあ、いけませんよ」とこっそり耳打ちしてくれています。
 著者は、こんなふうに時代時代の哲学者の思想の橋渡しをしながら、そうした連結によって著者自身の思想・言説をも静かに表現しようとしているようです。
 本書は、いきなりフッサールから始まり、デカルト、スピノザと渡り、ソクラテス、プラトン、アリストテレスへと戻り、ヘーゲル、マルクス、ウィトゲンシュタインへと続いていきます。最後の第4章「他者としてのキリスト教」はちょっと物足りない感が残りましたが、いずれにしても、一読の価値ありの本だと思います。
 
 梅雨も中休みの曇り空の午後、家でゆっくりと哲学の本など開いてみるのも、なかなか風情があるのではないでしょうか。

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