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本と音楽と珈琲の日々

読書録、日々の出来事、雑感をつれづれに

ZK 『自宅映画の日々』

dTVとChromeCastで自宅寝室がプチ映画館になっています。梅雨時、休日は自宅で映画鑑賞もなかなかです。
映画、読書、コーヒー、どれもみな梅雨時の休日と相性が良いようです。

5月の鑑賞メーター
観たビデオの数:2本
観た鑑賞時間:257分

海街diary DVDスタンダード・エディション海街diary DVDスタンダード・エディション
《TV地上波》生命の意味や家族の絆、人生のあり方などを4姉妹の生活を通じて、優しくじんわりと問いかける作品でした。2015年のMy Best Movieです。
鑑賞日:05月28日 監督:
アンナ・カレーニナ [DVD]アンナ・カレーニナ [DVD]
原作を読まないで観るとおそらくあら筋を理解するのも難しいかもしれません。作品自体は一見の価値あり、主役のキーラ・ナイトレイの美しさと悲嘆に狂う様は見応えがありました。時間をおいてまた観たい作品です。
鑑賞日:05月01日 監督:ジョー・ライト

鑑賞メーター

ZK 『人生の扉』ということ

先日、川島なお美さんが胆管がんのため、54歳でなくなられました。同い年の自分としては、そろそろそういう年齢を迎えつつあるのだということを改めて実感しました。

実は私自身も定例の人間ドックで胃に腫瘍が見つかり、今月初めに入院して手術を受けました。がんではないものの、腫瘍が悪性か否かはまだ検査結果が出ていません。
仮に悪性であれば今後も再発・転移に備えての治療が必要になってくるようです。

日本人の平均寿命がかなり長くなっているとは言え、必ずしも自分がそこまで生きられる保証があるわけではもちろんありません。
残りの人生の時間がどれ程あるのか、誰にもわからないことですが、だからこそ一日一日が素晴らしい。既に言い尽くされたことだと思いますが、日々、今日という日を迎えられたということが実は稀有な奇跡であるということ、まさに「有難い」事柄であるということを身にしみて感じました。

さて、その時までに日々いかに生きていくのか。
まさに竹内まりやの歌う『人生の扉』を1枚1枚開きながら、今日という日を生きていこうと思います。
http://youtu.be/K6oIxzxUiA4

チャンスの前髪/人生の扉

チャンスの前髪/人生の扉

ZK インフルエンザにかかり考えたこと

毎年、予防接種をして体調管理に気を付けていたためか、ここ10年以上、インフルエンザにかかったことはありませんでした。

ところが今年は何故かインフルエンザにかかり、先週末から出勤停止、自宅療養となりました。抗インフルエンザ薬の効果もあり、熱は比較的早くおさまりましたが、頭痛と喉の痛みはかなり続きました。

ベッドに臥しつつ日がな考えたこと。それは、『エイジング』という事実。
安易に年齢のせいにはしたくありませんが、年々、体力が衰えつつあることはやはり否定できない事実ではあります。そのことに気付いていなかったのではなく、気付きながらも何も手当てしようとしなかったこと。それこそが一番の問題。体調を管理するだけでなく、積極的に向上させていくつもりで努力をしなければ、これから益々右肩下がりになってしまうのでしょう。

時間は止まってはくれない、だからこそ、少しでもそのながれが緩やかになるよう努めなければ。
痛む頭で、そんなことを考えていました。

身体機能が10歳若返る 大人の体幹トレーニング

身体機能が10歳若返る 大人の体幹トレーニング

MV 『おくりびと』 観ました

映画

おくりびと(H20.9.13公開 監督:滝田洋二郎

久しぶりの休日、ちょっとだけ早起きをして自宅で『おくりびと』を観ました。以前、一度テレビで放映されたときにも観たのですが、その時は何かとバタバタしていて落ち着いて観ることができなかったので、今日は改めてゆっくり最初からエンドロールまで一人で集中して観ました。

山崎努本木雅弘広末涼子吉行和子笹野高史余貴美子など出演者は錚々たるメンバー。公開当時とその後アカデミー賞外国語映画賞を受賞した折りには、かなり話題にもなり、久々に大ヒット日本映画だったと記憶していますが、「売れた作品はすぐには観ない」という私の信条から、この作品も当時は観たい気持ちは多々あったものの、やっと今頃になって観たという次第です。

しかし、やはり多くの賞をとり、売れただけのことはある作品でした。納棺士(夫)という極めて特殊な仕事にスポットを当て、そこから広がる物語の面白さといった部分はもちろんのこと、俳優陣の演技の秀逸さも目をひくものがありました。

個人的には、主人公小林大悟の妻美香を演じた広末涼子の演技に感動しました。いえ、それはもしかすると演技というのとは少し違うのかもしれません。広末の醸し出す雰囲気というか空気感が、美香の心情を巧みに観る側に伝え、科白の決して多くない役どころであるにも関わらず、作品の中で大きな存在感を放っています。

実際の撮影現場の状況がどうであったのかは、知る由もありませんが、作品から伝わってくるのは、それぞれの役者がまさにぴったりと役にはまり、見事に演じきって、この作品を素晴らしいものに仕上げているというところです。そして、それはおそらくキャスティングの上手さでもあり、かつ、監督以下スタッフ全員の作品に対する想いの結晶化に成功したということなのでしょう。

このような映画が増えると、日本映画の将来も明るいかもしれません。
おくりびと」は最近では数少ない秀逸な日本映画作品のひとつでした。
原作の『納棺夫日記』も読んでみようと思います。

おくりびと

おくりびと

納棺夫日記 (文春文庫)

納棺夫日記 (文春文庫)

BR 『されどわれらが日々-』柴田翔 『20世紀の思想』加藤尚武

ブックレビュー 思想・哲学

 

 久し振りの更新です。8月後半にちょっとバタバタしてしまい、気づいたら既に9月。台風が通り過ぎるとともに、夏も通り過ぎてしまったようです。

 そんなわけで、8月はあまり本は読めませんでした。その中でちょっと良かった本を2冊ご紹介。

 

されどわれらが日々― (文春文庫)

されどわれらが日々― (文春文庫)

 

 

 

20世紀の思想―マルクスからデリダへ (PHP新書)

20世紀の思想―マルクスからデリダへ (PHP新書)

 

 『されどわれらが日々ー』は、かなり昔に、確か高校生のころに読んで以来の再読でした。芥川賞受賞作でもあり、当時は私たち世代のバイブル的な作品だったように記憶しています。

 久し振りに読み返してみて感じたことは、やはりこの時代の小説は、人間の苦悩に対してある意味、誠実で真摯的だということです。今の時代ではとかく私たちが巧みに目をそらしてしまうこと(あまりに素直すぎてちょっと恥ずかしく感じてしまうようなこと)に、ストレートに斬り込んでくる迫力があります。しかし、もちろん、そこには必然的に行き詰まらざるを得ない問題点も抱えています。

 読み終えて感じたのは、やはり、私たちはかの頃とは大きく変わってしまったということ。それが良いか否かは別にしてもこの作品を通じて、諸々のことが大きく変転したという事実を否応なしに見せつけられた気がしました。

 一方『20世紀の思想 マルクスからデリダは、近代哲学の系譜とその思想の連関を易しく分かりやすく説いた本です。

 個々の思想は理解できても、その思想が生まれた土壌と背景、必然性等がよくわからないといった感想を、特に19世紀以降の思想に関して抱いていたのですが、この本を通じて、そのあたりの整理ができ、かなりすっきりと腑に落ちました。ま、もっとも単に今までの自分自身の見識の低さと不勉強が原因ではあったのですが。

 本書のまえがきに書かれている

二十世紀の哲学思想を、特定の立場や領域に偏ることなく、もっとも分かりやすく概観する… 

 といった狙いは、その通り、成功しているように思います。近代哲学の大きな地図、或いは相関図を私たちに示して、その流れを「見える化」してくれています。

 哲学をこれから勉強しようと思っている人には、この本をスタートとして。ここから、どっちへ進んでいくのか、それが読み手に示された課題でもあり、可能性でもあります。

 また、今まであちこちを彷徨してきた人にとっては、もう一度、頭を整理するためのリフレッシュポイント。

 いずれにせよ、単なる哲学史の本ではないところが、この本の魅力でもあります。

 

 以上、最近、読んだ本の中でちょっと良かった本、2冊を紹介させていただきました。夏が少し急ぎ足で通り過ぎた今の季節は、読書にとってかなり良いコンディションです。私もこの週末、読書に耽ることにします。

 

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BR 『タイムトラベルの哲学』 青山拓央

思想・哲学 ブックレビュー

先日、立ち寄った古書店で見つけ、即買いしました。著者の当時のプロフィールとして、「千葉大大学院の学生」という点にも惹かれました。

内容は、一見、哲学とは相性の良くない(?)タイムトラベルを素材として「時間論」について語っています。

しかし、ちょっとわかりにくいのは、あらかじめ「時間」の定義が明らかにされていないということ。著者は、いきなり「私の時間」「前後の時間」に言及していますが、そもそもこれから議論しようとする「時間」をどのように定義しておくかが読み手に示されていないことから、その後の議論を曖昧にしているような印象を受けてしまいます。それはつまり「時間の本質が何か」という意味ではなく、「人は何を『時間』と呼んでいるのか」という語の定義という意味においてですが。
一般に私たちは、「時間」「時刻」「時の流れ」などという言葉を日常的に使うことがあるわけですが、こうした語の意味を議論に先立ってそれぞれどのように定義しておくかということが、読み手の立場からすればかなり重要であったとも思います。また、そうした丁寧さがあれば更に明解になったような気がするのです。

また、言説への理由の明確化についても同様に。たとえば、

たとえば僕は生きているか、生きていないかの二通りであるはずだが、このことから僕が生きている世界と生きていない世界とが、半々に存在するとは言えないだろう(P146)

本書の中で、このように著者は述べていますが、なぜそう言えるのかの説明がないのは、読み手からするとかなり不安になります。実際に「僕」は生きているのだから、僕が生きている世界と生きていない世界とが半々とは実感しえないということなら、それは単に「独我論」に落ち込んでしまうことにもなりかねません。そのあたりを説明してもらえば、私のような素人にもわかりやすかったのではと思うのです。

第8章「アキレスと亀の遺産」はかなり面白く読めました。有名なパラドックスではありますが、本書を通じて、これは「過去は現在に追いつけない」ということに収斂されるのではと思い至りました。

本書は著者自身が述べているとおり、終わる哲学ではなく「始まる哲学」であり、また、単に時間論に留まらず、哲学・思想全体への出発点として、オススメの一冊です。

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BR 『知の技法』 小林康夫/船曳建夫[編] 東京大学出版会 

ブックレビュー 思想・哲学 日々の雑感

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(注:イメージ画像)

先日、高校生の息子といっしょにいくつかの大学のオープンキャンパスに行ってきました。私が通ったころの大学と現在の大学はその風景も大きく変わり、時間の流れを痛感せずにはいられませんでした。

大学での授業、講義は今はどんな感じなのでしょう。オープンキャンパスの際に模擬授業があり、息子は参加してきましたが、私は外で待っていました。ちょっと受けてみればよかったかなと今になって思うところも・・・。

ところで、本書『知の技法は今から20年くらい前に東京大学教養学部で文系1年生のテキストとして使用されていたものとのこと。久々に大学生に戻った気分で読んでみました。おお、何十年かぶりに大学で講義を受けているような感覚でなかなか面白い。内容は、大学で知をどのように学ぶのかといったことを基本テーマとして、文系の各分野において具体的な言説が、さも講義のような形式と分量で展開されています。

しかし、もしかすると日本の最高学府と呼ばれる東京大学がこのような教養を行わなければならないという事態にこそ、日本の大学教育の問題点があるのかもしれません。

意識的に「聞き取る」のではなく、自然に「聞こえてくる」,作品の「感じ」-それをつかんだ気になれることが,要するに「読んだ」ということ(P69 翻訳-作品の声を聞く)
同じころ画家のブラックは、「わたしは物を信じない、信じるのは物と物との関係だけである」といっています。(P102 構造-ドラゴン・クエストから言語の本質へ)

要素というものが全体(体系、構造、場、パタン)のなかで、他の要素との関係(対立、対照、差違)を通じて価値(機能、意味)を得ている、という認識の仕方なのです(P111 前同)

いわゆる《構造主義》にはさまざまの傾向を見ることができます。これを諸科学における認識の方法と考えると、そのもっとも基本的な共通項と見なされうるのは、ほぼ次の三点に尽きるように思われます:
(1)全体の重視
(2)全体を構成する、諸部分どうしの関係にたいする注目
(3)ある構造から別の構造への変換」(P112 前同)

セミナーの中で議論を行なうことの全般にわたる難しさは、演習の内容や取り組みの熱心さといった水準よりも深いところで、「うなずきあいの18年」間に鍛え上げた同意の技術が、不同意の意見を作り、言うことを妨げていることにあります(P275 結び-「うなずきあい」の18年と訣れて) 

 本書が刊行されてから20年、現在の大学を巡る状況は、この当時の大学関係者が憂慮した事態を免れえたかは甚だ疑問です。むしろ、東大の或いは大学全体のというよりも日本全体の「知」に対する姿勢そのものの問題であるように思えてならないのですが。

 

知の技法: 東京大学教養学部「基礎演習」テキスト

知の技法: 東京大学教養学部「基礎演習」テキスト

 

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